Kimi K3 リリース:スペック・価格・API・使い分け
昨日まで読んでいたのは、ティーザーと「2.5T / 1M」の噂テーブルだった。今日はモデル選択画面に、ちゃんと押せるボタンがある。Kimi K3 が Kimi API Platform に並んだ。
そのボタンを見ながら「昼までに全部 K3 に切り替える?」——しない。 難しい仕事で、かつ長いコンテキストが必要なときだけ K3 を使う。日常の IDE 出荷は K2.7 Code、安くて実績のある長時間エージェントは K2.6 のままが無難だ。
リリース当日の選び方を、一息で:
- 複数ドメインにまたがる難問+256K の壁に何度も当たる →
kimi-k3を試す - Kimi Code / Claude Code / Cline / RooCode でコードを書いて直す → まず
kimi-k2.7-codeに留まる - すでに K2.6 で回っている長時間の自律ジョブ → ロゴのためだけに「アップグレード」しない
このサイトは Moonshot 非公式の独立リソースだ。以下のスペックと料金は公式ドキュメントを追っているが、判断(誰が切り替えるべきか、請求の感触、ローンチ前のノイズが何を外したか)はこちら側のもの。実費を投じる前に platform.kimi.ai を必ず再確認してほしい。
何が本当に出たのか(平たく)
Moonshot の公開カードは、K3 を これまでの最上位フラッグシップ と位置づけている。おおよそ 2.8 兆パラメータ、100 万トークンのコンテキスト(1 回のやり取りで抱えられるテキスト/コード量——単発のチャット吹き出しではなく、複数パッケージのリポジトリや分厚い調査パックを想像してほしい)、ネイティブの vision(API で画像と動画)、そして thinking が常時オン。
配線する API 名は kimi-k3。ドキュメント上はいつもの OpenAI 互換パス(https://api.moonshot.ai/v1)と MOONSHOT_API_KEY だ。
アーキテクチャ名としては Kimi Delta Attention と Attention Residuals が並ぶ。実装する必要はない。製品シグナルとして読めばよい:Moonshot が売っているのは「K2.x にベンチマークが 3 点載った版」ではなく、長いセッション向けの世代ジャンプだ。以前の研究(Kimi Linear / KDA)は長コンテキストを効率よくサーブする話だった。リリース日にユーザーが見る約束はシンプルで、使える前提の 1M と、常時オンの推論だ。
クイックファクト(後で眺める用)
| 気になる点 | 公式の答え |
|---|---|
| API id | kimi-k3 |
| 規模(公表) | 2.8T パラメータ |
| コンテキスト | 1,048,576 トークン |
| Thinking | 常時オン;reasoning_effort は現状 "max" のみ |
| Vision | 画像+動画(base64 / ms:// ファイル id——公開 HTTP 画像 URL ではない) |
| 料金(USD / 100 万トークン) | キャッシュヒット $0.30 · 入力 $3.00 · 出力 $15.00 |
| 既定の max completion | 131,072(上限 1,048,576 まで可) |
公開カードではまだ薄いもの:アクティブ(ルーティング後)パラメータ/トークン、オープンウェイトの完全なライセンス話、同一ページの独立リーダーボード。捏造しない。サービングの計算が必要ならテクニカルレポートを待つ。
先週の話は、ここが更新された
リリース前夜の整理 や どのモデルを選ぶか を読んだ人向けに、頭のパッチを当てておく:
| GA 前 | GA 後(こちら側の読み) |
|---|---|
| 「公開モデルカード / API id なし」 | kimi-k3 が掲載・文書化・価格付き・呼び出し可能 |
| 噂の規模 約 2.5T | 公式リストは 2.8T |
| 噂 約 1M コンテキスト | 1,048,576 が確認、トークン単価はフラット |
| 「スプリントを K3 に賭けるな」 | 全トラフィックの既定としては今も正しい——ただし本番ワークロードのパイロットは可能 |
| 「正直な公開価格がない」 | ある:$3 / $15(キャッシュヒットは $0.30) |
予告編はチケットになった。だからといって、いま観るべき唯一の映画になったわけではない。
なぜ K3 は「K2.7 Code を消す」話ではないか
Moonshot が届けているのは ポートフォリオ だ。最新 SKU が毎回クリックを勝つ一本梯子ではない。
- K2.7 Code は依然として コーディング特化——指示の多い IDE/CLI ループ、Kimi Code、コーディングエージェント、レイテンシが効くときの highspeed 版。コンテキストは 256K クラス。thinking はオンのままだが、製品の物語は「その PR を終わらせる」こと。
- K2.6 は依然として 汎用の長時間エージェント。本番の物語に何ヶ月も出てきた:多段階ツール、幅広い雑務、マルチモーダルな汎用仕事。リスト価格帯は K3 より下。
- K3 は フラッグシップの汎用知能 層:メモリが大きい、(現状)常に max 推論、プレミアム価格、エンジニアリング+知識作業+深い推論のフロンティア寄りの混ぜ合わせ向け。
こちら側の見立て:K3 はスーパーバイザー/難問用モデルであって、オートコンプリートの無料アップグレードではない。 痛みが「ログ 20 万トークンでリポジトリを見失う」なら、K3 は面白いボタンだ。痛みが「Claude Code でこの TypeScript を通したい」なら、K2.7 Code が退屈で正しい答えのままだ。
価格が本当に言っていること
公式の USD リスト(100 万トークンあたり):
| 価格 | |
|---|---|
| 入力・キャッシュヒット | $0.30 |
| 入力・キャッシュミス | $3.00 |
| 出力 | $15.00 |
表そのものより、こちらが気にしている判断は 3 つ:
- 出力はキャッシュミス入力の 5 倍。 thinking 常時オンは、「声に出して考える」分も最終回答分も請求される。K3 は プロジェクト予算 として扱え。雑談タブを開きっぱなしにするモデルではない。
- キャッシュヒットは入力ミスの 10 分の 1。 同じシステムプロンプト/リポジトリ要約の再利用は「あると嬉しい」ではなく、「払えるフラッグシップ」と「請求が炎上する」の差になる。
- 長さ帯は無いが、トークンは増える。 5 万トークンも 50 万トークンも単価は同じ。1M ウィンドウは「100 万がタダ」という意味ではない。
ポートフォリオのざっくり感(リスト価格は動く。契約ではなく方位磁針):K2.6 / K2.7 Code は同プラットフォームでずっと低い帯(入力 ~$1 / 出力 ~$4 前後のクラス)にいた。K3 の $3 / $15 は 意図したプレミアム だ。既定に据える前に、能力かコンテキストかの理由を自分で感じ取れている必要がある。
仕事の仕方を変える能力(ドキュメントの棒読みではない)
本当のセッション向け 1M メモリ。 1 本のスレッドで monorepo の一部、ポリシーパック、数時間のエージェント状態を抱えなければならないときに効く。大半のチャット利用者は 100 万トークンを埋めない——それでいい。機能は、すでに 256K を割っていた人 のためにある。
Thinking 常時オン。 古い K2.x の thinking オブジェクトは送らない。トップレベルで reasoning_effort: "max"(今日使える唯一のレベル)。マルチターンやツールループでは、アシスタントメッセージを丸ごと返す——reasoning と tool calls も含めて。content だけに削ると刺さる。
コードと同じループでの vision。 スクショ、UI 録画、図——ツールや長コンテキストと同じセッション。公開画像 URL はドキュメント上の道ではない。base64 か、アップロードした ms:// ファイルを前提に。
エージェント面。 ツール、tool_choice、動的ツールロード、構造化 JSON Schema、部分継続、Formula 公式ツール。プラットフォームは現状 ウェブ検索を更新中 と警告している——今週の本番ワークフローをそれに賭けない。
最小の呼び出し形:
import os
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
api_key=os.environ["MOONSHOT_API_KEY"],
base_url="https://api.moonshot.ai/v1",
)
completion = client.chat.completions.create(
model="kimi-k3",
reasoning_effort="max",
messages=[{"role": "user", "content": "Summarize the risk of migrating our default model to K3."}],
)
print(completion.choices[0].message.content)
temperature / top_p のようなサンプリングつまみは固定と書かれている——API と戦うより、省略する。
今週、何をすべきか
| あなたが… | やること |
|---|---|
| 大きなリポジトリや巨大ドキュメントで 256K に詰まっている | 1 本の高価値ワークフローで kimi-k3 をパイロット;品質 と ドルを測る |
| 一日中 IDE のコーディングエージェントにいる | kimi-k2.7-code(または highspeed)を維持;K3 は「移行設計」系プロンプトだけ |
| すでに動いている数時間エージェントを回している | コスト付きの横並びで K3 が勝つまで K2.6 に留まる |
| 単一既定モデルのプロダクトを作っている | 初日にトラフィック 100% を切らない;「難/長」だけ K3 にルーティング |
| ただ気になっている | K3 ステータス hub を読み、プレイグラウンドを触ってから決める |
よくある誤り
- 「最新フラッグシップ=何でも最強。」 SKU の取り違え。フラッグシップの深さ ≠ 最良レイテンシ、最良のコーディングエージェント UX。
- 「1M だから会社ごと貼る。」 請求が来る。まだ動く最小コンテキストから始めて、伸ばす。
- 「安い下書き用に thinking を切る。」 いまの K3 ではできない——
"max"のみ。 - 「明日 Kimi Code の K2.7 Code を差し替える。」 製品ラインはまだ分かれている。公式の Kimi Code 既定を見てから ID を無理に押さない。
- キャッシュを無視する。 毎ターン同じリポジトリ接頭辞なのに安定プレフィックスが無い——フラッグシップを高く使う王道。
FAQ(短く)
正式に出た? はい——掲載・文書化・価格付き・kimi-k3 として呼び出し可能。
オープンウェイト? 第三者の断片情報を Moonshot の約束とは扱わない。セルフホストを計画する前に、Moonshot 自身の research / HF チャネルを確認。
K2.7 Code を置き換える? いいえ。ポートフォリオ:汎用フラッグシップ vs コーディング特化。
まとめ
K3 は、リリース前夜にこちらが立てたバーを越えた:本物の API 名、本物の 1M ウィンドウ、本物の価格。 賢い一手は「全員 K3」ではなく、プレミアムな推論と巨大メモリが正当化される仕事に K3 を載せ、出荷 PR は K2.7 Code、安い長時間エージェントがすでに成果を出している場所は K2.6 のまま、だ。
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